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第7回:沖電気工業株式会社 塚本 牧生 様
 
 
1. 現在のお仕事内容を教えてください。
仮想化製品の製品主管となっています。仮想化製品について、知識提供、教材(講習等も含む)提供、導入プロジェクトや保守対応の技術支援などを行っています。
 
2. 初めてのITのお仕事は何でしたか?
ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)の導入支援で、カスタマイズなどを行いました。
 
3. 現在のお仕事に就くまでの経験や経歴で役立ったことを教えてください。
前述のERP、次に企業向けですがSNS(Social Network System)、そして現職の仮想化と経験してきました。ERPからSNSへはエンタープライズ(ビジネス)アプリケーションからコンシューマアプリケーションへの、そして生産管理系アプリケーションからヒューマンリソース系アプリケーションへの変化でしたし、その後はアプリケーションからインフラにと、異分野を渡り歩く形になりました。その各視点からものごとを見られるようになったことは、現在も役に立っています。
 
4. 認定資格を取得される際、どのような勉強方法をされていますか?
当たり前ですが、テキストを順に学習していくことと、できれば手を動かして実践することです。データを覚えるような方法は苦手、ストーリーとして飲み込むほうが性に合っているので、テキストを中心に、問題集などは最後に少し解くか解かないかですね。
 
5. その際に、モチベーションとなった事柄があれば教えてください。
学生の定期試験などとは異なり、認定資格は点数や合格が評価や給与に直接反映されはしません。学習を通じた実力の向上と、実力の確認および証明、言い方を変えれば腕試しの性格が強いように思います。高得点や合格を目指すということ自体が、直接モチベーションになっています。
 
6. 取得されているCompTIA認定資格を教えてください。
CompTIA Cloud+です。
 
7.CompTIA認定資格はお仕事にどのように役立ちましたか?
上にも書きましたが、認定資格そのものが仕事を左右することはありません。ですが認定資格を取得できていること、あるいは取得できなくても○○%得点できているということが、自分の技術力に対する自信の獲得や不安の払拭にもつながっています。

例えば技術の話だけであれば教科書通りの言葉で語れます。しかし仮想化やクラウドコンピューティングという手段の、ビジネスへの影響といったことを語ろうとすると、お客様や聞き手の状況を踏まえ、自分の考えを自分の言葉で語ることが必要になります。そうした場面に対応できるようになったのは、Cloud+取得による自信の獲得、不安の払拭も大きかったと思います。

 
8.取得されているCompTIA認定資格とご自身のお仕事の関連度合いをパーセンテージで教えてください。
CompTIA Cloud+:70%
 
9. CompTIA以外で取得している認定資格を教えてください。

情報処理試験テクニカルエンジニア(データベース)、同セキュリティアドミニストレータなど。そのほかはLinkedInをご覧ください。

 
10. 認定資格の取得前後で、給与面における変化はありましたか?
いいえ。直接認定資格取得が給与に反映されているということはありません。しかし合格時に一時金が出る「報奨金」の制度があり、その対象には、私が取得しているCloud+以外に、Cloud Essentials、Server+、Storage+ があります。
 
11. 認定資格を取得したことで、仕事上でやりたいことができるようになりましたか?
前述の通り、認定資格取得を通じた自信の獲得や不安の払拭は、仕事の幅を広げるのに役立っています。
 
12.今後、認定資格は「より重要」OR「重要性は低くなる」と思いますか。その理由もお聞かせください。

重要になると思います。ただし「認定資格を取得する」ことではなく「認定資格に取り組むこと」の重要性が増すと思います。

技術の多様化と専門化、専任化が進んでおり、「この認定資格を取得しておくと広く評価される」という状況は減るのではないかと思います。例えばシステム構成も決まらない入札段階で、入札条件に挙げられるようなカバー範囲の広い資格は限られるでしょうし、技術の多様化が進むほど「それ以外の認定資格」が増えるでしょう。

一方、同じ理由で上司が部下の、あるいは同僚が隣席の同僚の実力を、評価も理解もできない状況が進みそうです。そのときには成長のためにも確認のためにも、同じ技術分野の技術者の中で自分の実力を測り、磨く機会がより貴重になってくると思います。その意味で「認定資格に取り組むこと」そのものが、これからより重要になっていくと思います。

 
13.これからIT分野での活躍を目指す人たちにエールをお願いします。
IT技術はどんどん裾野の厚みを増し、個人がITでできることはどんどん大きくなってきています。コンシューマリゼーション、シビックテックといった言葉は、個人のIT能力が企業や社会を動かしもする時代を実感させます。

特に技術力ではなく調達能力が敷居となっていた「機材」と「情報」の二面で、オープンデータとクラウドコンピューティングが広がってきていることは、個人のできることを広げるもっともキーになる技術です。ぜひその可能性を知り、この世界に興味を持ってください。