CompTIA日本支局
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第5回:富士ゼロックス株式会社 渡邉 由久 様 |
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1. 現在のお仕事内容を教えてください。 |
CE(カストマーエンジニア)を対象とした、自社商品とプラットフォームであるICTの連携Solutionの実装・運用ができる人材の育成を担当しています。 |
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2. 初めてのITのお仕事は何でしたか? |
Sun WorkstationからGBIP port経由で、自社商品(プリンター)が使用できるように機器の設置ならびに設定作業でした。 |
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3. 現在のお仕事に就くまでの経験や経歴で役立ったことを教えてください。 |
一つの商品になっていなかった「コピー・FAX・プリンターの保守」がスタートです。
その後、コピーのアナログからデジタル化、白黒からカラー化、コピー・FAX・プリンターの複合機化という商品進化の過程で、保守に加えSEや営業の技術支援という三遊間を充足していました。
1996年にオフィスのシステム化・ネットワーク化を推進していく当時の新規事業であった「マルチベンダーサービス」へ飛び込む事で、過去の積み上げてきた実績やスキルをゼロリセットし、自身のコアコンピタンスをICTに変えました。
1997年には、より多くの新規事業のチャンスに巡りあえるよう、働く場所を大阪から東京に移して、現在に至っています。 |
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4. 認定資格を取得される際、どのような勉強方法をされていますか? |
勉強法というより、仕事の役割が人材育成なので、試験対策だけでは不十分です。出題範囲を把握後、用語や関連技術の理解から始めます。技術関連の書籍は値段も高いので、近所の図書館を利用する事も多いです。蔵書がない書籍は購入もしくは他の図書館から回送してもらえますが、私のオーダーした書籍で棚が埋まってしまったところもあります。
知識面では「聞かれたら期待以上の説明ができる」事を目指してひたすら覚える、技術面では「デモをやろうと思ったら期待以上の体験ができる」事を目指してひたすら触るというのが基本になっています。
ここまで書くと、ストイックに大変な勉強方法を採用しているように見えますが、仕事の役割と関係が薄い認定資格試験は、単純な試験対策(対策本と過去問題、類似問題)だけで対応しています。重点志向でメリハリをつけて、常に全力投球にならないように気をつけています。 |
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5. その際に、モチベーションとなった事柄があれば教えてください。 |
「渡邉さんに教えてもらって、お客さま対応の自信がつきました!」というCEのひと言です。また、現場にいた時は「ありがとう!また渡邉さんにお願いするよ!」というお客さまからひと言です。
自分以外の方々の自信や、喜びにつながったことを実感できた瞬間が、モチベーションの根源であり、人材育成担当としての冥利に尽きる瞬間でもあります。
私の仕事に対する姿勢や考え方は、今日対応できない事は、明日には対応できるようスキル・情報・人脈を駆使し、解決に情熱を持ってチャレンジする事が基本になっています。
この積み重ねが「お客さまの感動を呼び起こし、自分自身のモチベーション」につながっていると信じています。(そう…思いたい) |
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6. 取得されているCompTIA認定資格を教えてください。 |
残念ながら取得していません。今の立場で受験すると、社内や後輩の目線では「試験情報を知って受験しているのでは…?という疑惑」が生まれてしまうためです。人を育てる仕事に携わっている以上、人の気持ちには細心の注意を払う必要があり、葛藤は相当あります。 |
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7.CompTIA認定資格はお仕事にどのように役立ちましたか? |
自社商品とICTの連携Solutionの実装・運用のプラットフォームであるため、職務分析や問題作成の手法や考え方、他のSMEの皆さんの知見や考え方などを学び、私自身の人材育成の考え方や手法に日々活用させて頂いています。 |
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8.取得されているCompTIA認定資格とご自身のお仕事の関連度合いをパーセンテージで教えてください。 |
取得していませんが、自社商品とICTの連携Solutionの実装・運用のプラットフォームであるため、CompTIA認定資格の出題範囲を材料に、人材育成の場で日々活用させて頂いています。
以下、自身の仕事との関連度合いです。
A+、Network+、Server+ … 60%
Security+ … 50%
CDIA+ … 50%
Mobility+ … 30% |
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9. CompTIA以外で取得している認定資格を教えてください。 |
主なものでは、HP Accredited System Engineer、Apple Certified
System Administrator、LPIC Level1、Microsoft Certified System Engineer(NT4.0/W2K/W2K3)、日本経営協会
電子化ファイリング検定 A級、JAGAT DTPエキスパート認証、DTP検定U種/V種、色彩能力検定2級、ネットワーク接続技術者「工事担任者」DD1種、Fuji
Xerox Color Management Basic/Professionalです。
資格マニアのように見えますが、仕事の役割で「現場対応や人の育成に必要な技術スキル獲得プロセスの一つとして認定資格取得」を繰り返していたら…こうなっていました。
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10. 認定資格の取得前後で、給与面における変化はありましたか? |
給与面における変化はありませんでしたが、会社の進もうとする方向と、キャリア開発の方向性と自身のコアコンピタンスが合致し、現場から人材育成部門へ仕事の場と役割が変わりました。 |
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11. 認定資格を取得したことで、仕事上でやりたいことができるようになりましたか? |
認定資格の取得というよりも、自身の強みに気付き、自身のコアコンピタンスが第三者にも分かり易くなったことで、仕事上でやりたいことができるチャンスは増えました。
さらに、仕事の役割が人材育成であることから、人は理論と感情の一致で動く(理感一致の法則)事を知り具体的な行動に移す必要があります。
認定資格の取得を通じて「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ」を実践し、CEの納得度や満足度を上げる事で、スキルアップに加え、自ら学習し続ける動機づけにもつなげられるようになってきました。 |
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12.今後、認定資格は「より重要」OR「重要性は低くなる」と思いますか。その理由もお聞かせください。 |
認定資格は「より重要になる」と考えています。理由としては
1.自身のコアコンピタンスが第三者に分かり易く見える化できる
2.自身が努力すべきGoalとProcessが明確でお金や時間、やる気を効率よく投資できる
3.認定資格のコミュニティに積極的に参加する事で、机上の勉強とリアルな世界とのGapが充足できる。
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13.これからIT分野での活躍を目指す人たちにエールをお願いします。 |
机の上で色々考えても現状は変わりません。現状を変えるには、とにかく「やってみなはれ!」。
この繰り返しが、自身の強み弱みの棚卸しと次の目標設定に確実につながっていきます。 |
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