米国本部ブログ:Data Analyst: Not Just Another IT Job
新しい認定資格CompTIA Data+の提供により、CompTIAはデータマネジメントと分析(アナリティクス)の分野での足場を築きました。これはとてもエキサイティングなことです。データの分野は、急速にITフレームワークの重要な一部となり、どの組織もデータ駆動型の意思決定に焦点を当て始めています。
「キャリア」の観点から見ると、これは何を意味するのでしょうか?データアナリストの役割は、テクニカルキャリアに新たなパスを開くものですが、その特性上、ITプロフェッショナルにとってユニークな強みになります。
それについては、まずITフレームワークから説明しましょう。データ分野は、仕事の質がユニークであることから、フレームワークの中では独立した柱となります。ソフトウェア開発と同様に、組織によってはデータアナリストをコアとなるIT部門の外に配置することもあるでしょう。
全体的なデータ戦略には大きな技術的要素はありますが、最終的な目標はデータから得られる洞察を用いてビジネスの疑問に答えることです。データアナリストが組織のどこに配置されていようと、利害関係者との関係性は他のIT部門と異なります。
さらに、この戦略的な考え方が職務における要件を作ります。ある要件は、従来のIT職務と似ているものもあります。しかし、異なるものもあり、それが多くの求職者にとってチャンスとなるでしょう。
データアナリストの仕事は、従来のITの仕事とどう類似するのか
「従来のITの役割」といえば、ITインフラストラクチャを指すことがほとんどでしょう。企業コンピューティングの幕開け以降、ITの基礎となるもので、大抵の人が思い浮かべる役割でもあります。
従来のITの仕事が、データアナリストと重なる部分は主に3つあります。
● システムの理解:ITが複雑化し、職務がより専門的になるにつれ、すべてがどう連動しているかといった基本的な理解を持つことは、さらに重要となっています。CompTIA IT Fundamentalsは、受験者が特定のキャリアパスを選択する前に、システムに対する理解を深めるという考えに基づいて開発されました。
● クラウドの理解:クラウドコンピューティングは、IaaS(Infrastructure as a Service)の活用やソフトウェア開発のための複数の環境構築など、あらゆるIT業務に影響を与えています。データアナリストは、ストレージアーキテクチャの定義やクラウドベースの分析ツールの使用など、クラウドシステムの長所と短所を理解する必要があります。
● 基本的なスクリプティング:ソフトウェアは、ITを席巻しています。組織内にソフトウェア開発者を持つ企業は、10年前と比べるとかなり増加しています。これは、他のすべての分野にも波及しています。すべての人がプログラマーのマスターである必要ありませんが、基本的なスクリプティングスキルがあれば、ニーズに応じて微調整することが可能です。
データアナリストの仕事は、従来のITの仕事と何が違うのか
データマネジメントと分析(アナリティクス)の分野は歴史が浅いことから、さまざまな業界や組織の規模に対応できる万能なアプローチはありません。しかし、データ関連の役割には、従来とは異なる3つの特性があります。
● 戦略的なフォーカス:ITの役割は、組織のニーズに応えることです。しかし、データアナリストは、ビジネスがどこに向かいたいのかを深く理解する必要があります。インフラストラクチャの専門家は、問題の基本的な説明を受けあとは、それに対応するシステムを設計することができます。データアナリストは、基本的なことを理解するだけでなく、戦略的な意思決定につながるあらゆる要素を理解しなければなりません。
● 予想される成果: インフラストラクチャでの成功基準は明確です。サーバーやネットワークが正しく動作していない場合、人々はそれに気づくからです。一方で、データアナリストは確率で判断します。データは、可能性の高い成果を示すことができますが、保証するものではありません。アナリストは、意思決定を行う人々のために確率を定義することに長けている必要があります。
● ストーリーテリング:上の2つのポイントをまとめると、ストーリーを語るという仕事に行き着きます。または、データ分析では可視化が重要であることから、「絵を描く」という表現が適切かもしれません。最終的に、データアナリストは、組織がどこに向かいたいのか、そこに至るにはどうすればよいのか、その過程では何が起こり得るのかを解明しようとします。
もちろん、組織によって役割は異なります。データアナリストの中には、データ管理者(DBA)に近い役割もありインフラに重きを置く場合もあります。一方で、データサイエンスに近い役割もあり、統計の活用がより重視されることもあります。いずれにせよ、アナリストのコアとなる要件には、慣れ親しんだ部分と新しいコンポーネンツが含まれます。アナリストの需要は増え続け、適切なスキルを備えたプロフェッショナルには、キャリアアップの選択肢が広がっています。